【後編】あなたも持っている? 組織を変える19の特性
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組織で良好な人間関係を築き、プロジェクトを進めていける人はどのような特性を持っているのだろうか。本連載は、POTInstituteが主な研究の対象にしている変革人材について、その特徴や活かし方、発掘方法などを解説している…
組織で良好な人間関係を築き、プロジェクトを進めていける人はどのような特性を持っているのだろうか。
本連載は、POT Instituteが主な研究の対象にしている変革人材について、その特徴や活かし方、発掘方法などを解説している。前回は、変革人材が持つ19の特性のうち、「ものごとの捉え方」「行動特性」の2つの特性群を紹介した。後編では「関係性構築力」「思考傾向」の特性群を解説していく。自分に当てはまる特性を探し、日々の仕事に活かしてみてはいかがだろうか。
良好な関係のチームを築くスキル
ここまでの2つのカテゴリは、必ず変革人材が何かしらの特性を持っているといってもよい特徴的な要素だった。一方、ここからの2つのカテゴリは、変革人材に限った特性ではない。これらの特性を組み合わせて使うことで、変革人材としての特性をより企業活動の中で発揮しやすくなり、活躍のシーンが増えていくような特性群だ。
まずは「関係性構築力」の6つをみてみよう。
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社交的に行動する:
明るく社交的で、積極的な行動、コミュニケーションをする特性。いわゆる外向性と強い関係がある。チーム内の雰囲気作りや、ネットワーキングにも強さを発揮する。
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自分をコントロールする:
自分の感情をうまくコントロールし、相手の立場になって他者に共感する特性。ストレスの中でもあわてず、冷静さを保つことができ、EQとも関係がある。この特性を持つ者と持たない者は比較的はっきりと分かれ、それによって役割イメージが大きく変わってくるのも特徴だ。
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自己開示する:
自己肯定感が高く、自分の意見を率直に、オープンに話すことをためらわない特性。ありのままの自分を大事にし、その上で自分の思考や意見を積極的に周りに伝えることができる。ある意味鈍感力が高く、言いにくいことを場に出す役割を担う。意図的にそれをやれる人もいて、あえて空気読まないことも、重要な状況打破のテクニックとなる。
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他者を受け入れる:
他者に対しての寛容度が高く、人間関係の対立もうまく対応する特性。他者受容ともいう。違いを尊重して多様性を認めることができ、人のいい面を見つけることが得意だ。そのスタンスで対立を解決する手段を見つけ出すため、チームの人数が増えてきたときには、特に重要な役割を担うことになる。
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人を巻き込む:
情熱を持って他者を巻き込む特性。自分の情熱やビジョンを他人に伝え、共感を得て一緒に行動することが多いことが特徴だ。これは意図的に行うというより、自然とそうした行動をとる人が多い。仲間を増やしたり、外部から力を貸して欲しい人を引っ張ったりする局面で力を発揮する。
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信頼し合う:
他者を信じる力が強い特性。初対面の人でも信頼し、助け合うことができる。逆に、疑う力を持ち合わせていないともいえる。困難な状況でも信頼関係を築き、チーム内の、またはステークホルダー間の協力関係を維持する局面で活躍する。

他人と良好な関係を築くことで、変革人材の力は最大化される
以上のように関係性構築力の特性群は、変革人材の核心的な要素ではない。むしろ、これらは変革期に特有の困難な状況、特にその状況を乗り越えるために他者との緊密な協働が必要となる場面で、変革人材としての他の特性をより効果的に活かすためのサポート特性と言えるだろう。
変革人材の特性が特に必要とされるのは、一般的な枠組みや役割の中では解決が難しく、それらの特性がないと進行が止まってしまいそうな局面だ。そのような難局を突破するには、従来の「決まりきった役割での分担」を超え、相互の信頼と共感の下での協働が求められる。この文脈で、「自分を信じ、他者を信じて困難を乗り越える」という深いレベルの協働を支えるための特性群を、関係性構築力としてここで紹介した。
考えるときの“くせ”が変革人材らしさを強める
最後は、「思考傾向」の5つだ。考える時の傾向やくせのようなもので、これこそ変革人材特有の特性だ、というものではない。変革人材が持つ他の特性と組み合わせることによって、変革人材らしさをより強める特性群だ。
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未来を志向する:
無意識のうちに未来を見据え、ビジョンを描く特性。比較的長めの時間軸で物事を考える傾向がある。その未来が正しいか、現実的かどうかはさておき、長期的な視野で明確なビジョンを持ち、常にその目指すべき理想の未来を念頭に置いて行動する。全く新しいものを生み出す際には、チームのみならず、顧客でさえも見えていない未来を見せてくれる。
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直感を重視する:
データや理論に囚われることなく、自分の直感を信じる特性。無意識にある深い知識や数多くの経験に基づく直感を信じるため、一見地続きではないような、飛躍した発想に辿り着けるかもしれない。材料が少ない中で非連続的な意志決定をする際に有用な特性だ。
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論理的に考える:
物事を客観的に捉え、体系立てて考える特性。いわゆるロジカルシンキングだが、スキルとして身につけるというより、ついつい論理的に考えてしまうという特性だ。そもそも仕事をする上で重要なスキルであるため、すべての優秀人材が通常業務で使っている。新規事業開発においても、課題の構造化や価値のモデル化など、論理性が必要なシーンは多くある。
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批判的に考える:
物事を多面的に捉え、本質を見つけ出す特性。いわゆるクリティカルシンキングにあたる。一見素直でないように見えるが、新しい事実や情報に対して、本当だろうか?なぜだろうか?とついつい疑問を持ち、それを検証したくなる特性だ。そのため、例えば顧客ヒアリングの場で、顧客が本心ではなく、事業仮説にとって都合のいい話をしていたとしても、その嘘に気づくことができる。
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類推して考える:
物事の共通点を見つけ、異なる事象や情報を結びつけて新たな答えを導き出す特性。いわゆるアナロジカルシンキングだ。様々な物事が勝手に繋がって感じられる特性で、。その着想に他者がついていくのは難しいこともあるだろう。しかし、アイデア創出のシーンや、行き止まりで状況がこう着しそうなシーンで、その力を発揮する。ロジカルシンキングやクリティカルシンキングと比べて、後からスキルとして伸ばすことが難しく、この特性を持ち合わせる人物は把握しておきたいところだ。

直感的でも論理的でも、変革人材の特性と組み合わせることで活躍の場面が訪れる
思考傾向の特性群は、考える際の個々の癖や傾向を示すもので、特定の思考傾向を持っていなければプロジェクトが進まないと考える必要はない。論理的に考えることが得意な人は、課題の構造化や提供価値をモデル化するようなシーンで活躍する。一方、直感的に考えることが得意な人は、新しいアイデアを生み出す際や、行き詰まった状況で新しい突破口を見つけるような場面で力を発揮する。それぞれの思考の癖や傾向を自己認知し、特性を活かそうとすることで、より適切な場面で貢献したり、活躍の場を広げたりすることに繋がるだろう。
以上が、POT Instituteでまとめた、変革人材に多く見られる19の特性だ。これらの特性をすべて持ち合わせていなくても、足りない特性を無理に伸ばす必要はない。自分がどんな特性を持ち合わせているのか、周りにどんな特性の人がいるのかを可視化し、把握すること。そして、その特性をどのようなシーンで強みとして発揮できそうか考え、そのパターンを知ることが重要だ。
特に、新規事業開発のような先行き不透明で困難の続く山登りのような仕事や、変革期におけるあらゆる探索的な企業活動において、どのような特性を持つ人が活躍するかを知ること自体がとても重要なスタートとなるだろう。
執筆:平尾譲二
編集:高村真央